確証バイアスとは
確証バイアスは、自分の考えを裏づける情報ばかりを集め、反対の情報を避けてしまう心の癖です。
例えば、腰痛に効くという体操を見つけたとき、効果があった体験談や動画ばかりを見て、合わなかった人の声や注意点を無視してしまう。
これが典型例です。

なぜ起きるのか
・選択的注意
　見たい情報だけが目に入りやすくなります。派手なビフォーアフターやキャッチコピーに目を奪われ、条件や注意書きは見落としやすくなります。
・確認バイアス
　元々の考えを肯定する情報を検索しがちです。腰痛 ストレッチ 効いた のように肯定語で固めると、否定側の情報に触れにくくなります。
・後付け解釈
　自分の考えと合わないデータを見ても、都合よく解釈してしまいます。実際には睡眠やストレスの改善が主な要因だったのに、やった体操だけが効いた
　と決めつけてしまう、といったことが起きます。

体験談と科学的根拠のちがい
体験談はリアルで共感しやすいのが長所ですが、条件がそろっていません。
たまたま良くなった可能性や、同時に別のことも始めていた可能性を排除できません。
科学的な根拠は、できるだけ条件をそろえて比べる工夫が入っています。難しい論文を読む必要はありません。

次の三点だけ見れば十分な目安になります。
・誰が、どのくらいの人数を、どのくらいの期間で見たのか
・比べる相手がいるのか 何もしない場合や別の方法と比べたのか
・結果だけでなく負担やリスクの説明があるのか

健康情報でありがちな落とし穴
・宣伝と情報の境目が曖昧
　おすすめの理由が体験談だけに偏っていないか、費用やリスク、対象外の人の条件が書かれているかを確認しましょう。
・画像やグラフの印象頼み
　写真は撮影条件で印象が変わります。数値や単位、比較の仕方の説明があるかを見ます。
・極端な言い切り
　これだけで治る という表現は注意。個人差や条件が書かれている情報ほど現実的で役に立ちます。

肯定と否定の両ワードで検索する
最初は 肩こり ストレッチ 効く で検索しても構いません。次に 肩こり ストレッチ 悪化 注意点 のように反対側のワードでも検索します。やってはいけない条件や、合わないタイプが見えてきます。

三方向から情報をそろえる
・専門家や公的機関の情報
・現場の臨床家の実践的な解説
・ユーザーの体験談
性質の違う三方向を最低限確認しましょう。どれか一方向に偏るほど確証バイアスは強くなります。

発信者の顔と責任範囲を見る
肩書や資格だけでなく、費用、通院頻度、効果が出るまでの目安、リスク、対象外の人の条件など、実行に必要な情報がそろっているかを確認します。
良い点ばかりで不都合が書かれていない場合は注意が必要です。

リスクとベネフィットを自分の生活で天秤にかける
例 ソフトな施術で不安が少ない ベネフィット。翌日にだるさが出る可能性 リスク。週2回通う時間と費用は現実的か。ここまで考えると納得して選べます。