
人に相談したあと、なぜか気持ちがスッキリしない。
相談に乗ったはずなのに、逆に疲れてしまった。
そんな経験はありませんか?
実はその会話、心理学でいう
「心理ゲーム」のパターンに入っていた可能性があります。
今回は、交流分析の考え方をもとに、特に日常で起こりやすい
「はい、でも…ゲーム」について、分かりやすくお伝えします。
・人の相談に乗ると、いつも自分が疲れてしまう
・家族、友人、職場の人間関係で同じパターンを繰り返している
・「でも…」「だって…」が続く会話に困った経験がある
・心と体の疲れに、人間関係が関係していると感じる
交流分析とは?エリック・バーンが考えた人間関係の心理学
交流分析とは、カナダ出身の精神科医エリック・バーンが提唱した心理学の考え方です。
難しく聞こえるかもしれませんが、簡単にいうと、
人と人とのやりとりのクセを見つめる心理学です。
私たちは、家族、友人、職場、夫婦関係など、さまざまな場面で人と関わっています。
その中で、なぜか毎回同じような言い合いになる。
相談しているだけなのに、最後はイヤな空気になる。
こうした繰り返しの会話パターンを、交流分析では「ゲーム」として考えることがあります。
ここでいうゲームは、楽しい遊びのことではありません。
心理学では、最後にイヤな気持ちが残る、こじれたコミュニケーションのパターンを指します。
人は誰でも「心の栄養=ストローク」を求めています
交流分析では、人からの関心、承認、声かけ、スキンシップ、ねぎらいなどを
ストロークと呼びます。
分かりやすくいうと、ストロークとは心の栄養のようなものです。
人は誰でも、
「認めてほしい」
「分かってほしい」
「気にかけてほしい」
という気持ちを持っています。
それ自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、人が安心して生きていくために大切なものです。
ただ、この心の栄養が不足してくると、素直に
「話を聞いてほしい」
「寂しい」
「不安なんだ」
と言えずに、別の形で相手の反応を求めてしまうことがあります。
そのひとつが、心理ゲームです。
「はい、でも…ゲーム」とは?
「はい、でも…ゲーム」は、相談しているように見えて、相手が何を言っても
「そうですね。でも…」
「分かっています。でも…」
と返してしまう会話のパターンです。
たとえば、Aさんが友達Bさんに相談します。
Aさん「彼氏に振られちゃって…私が悪かったのかな…」
Bさん「そうなんだ…辛いよね。でも、そんなに自分を責めなくていいと思うよ」
Aさん「うん…でも…私が冷たくしたから…」
Bさん「今は辛いけど、時間が少しずつ助けてくれるよ」
Aさん「そうよね。でも…やっぱり…」
最初は、Bさんも優しく聞いています。
しかし、何を言っても「でも…」が続くと、だんだんBさんは
「私は何のために相談に乗っているんだろう」
と無力感を感じやすくなります。
一方で、Aさんも本当は相手を困らせたいわけではありません。
ただ、解決策がほしいというよりも、分かってほしい気持ちが強くなっていることがあります。
なぜ「はい、でも…」が続くのか
「はい、でも…ゲーム」に入っているとき、本人の心の奥には、
分かってほしい
責めないでほしい
見捨てないでほしい
という気持ちが隠れていることがあります。
しかし、その気持ちを素直に言葉にできないため、相談という形をとりながら、会話が堂々めぐりになってしまいます。
そして相談された側は、真剣に考えてアドバイスをするほど、
「せっかく考えたのに否定された」
「何を言ってもダメなのかな」
「自分が責められているみたい」
と感じやすくなります。
こうして、相談した側も、相談された側も、最後にはモヤモヤして疲れてしまいます。
自分OK・相手OKの関わり方が大切です
交流分析には、自分OK・相手OKという考え方があります。
これは、
「自分も大切にする」
「相手も大切にする」
という人間関係の基本姿勢です。
心理ゲームに入ってしまうと、いつの間にか
「自分はダメ」
「相手が悪い」
「分かってくれない相手がひどい」
「相談してきた相手が面倒」
というように、どちらかを責める形になりやすくなります。
でも、本当に大切なのは、相手をやり込めることでも、自分を我慢させることでもありません。
「今、会話のパターンに巻き込まれているかもしれない」
と気づき、少し冷静に距離を取ることです。
相談された側が気をつけたいこと
「はい、でも…」が続く相談に巻き込まれそうになったときは、次のような対応が大切です。
まずは、冷静になることです。
相手の言葉にすぐ反応しすぎると、会話の流れに巻き込まれやすくなります。
次に、すぐに解決策を与えないことです。
相手は解決策よりも、まず気持ちを分かってほしい状態かもしれません。
そして、同意・同調しすぎないことも大切です。
「それは相手が悪いよね」
「あなたは全然悪くないよ」
と強く同調しすぎると、かえって会話が長引いたり、別のモヤモヤを生むことがあります。
必要なときは、少し距離を取ることも自分を守る大切な方法です。
・エリック・バーンは、人間関係のこじれたパターンに注目しました
・人は誰でも、心の栄養であるストロークを求めています
・「はい、でも…ゲーム」は、相談しているようで会話が堂々めぐりになりやすいパターンです
・相談された側は、冷静になる、解決策を急がない、同意しすぎない、必要なら距離を取ることが大切です
心理ゲームは、特別な人だけがするものではありません。
誰でも、疲れているとき、不安なとき、分かってほしい気持ちが強いときに入りやすい会話のパターンです。
大切なのは、相手を責めることではなく、
「今、いつものパターンに入っているかも」
と気づくことです。
人間関係のストレスは、心だけでなく、体の緊張や睡眠の質、自律神経の乱れにも関係することがあります。
家族関係、職場での人間関係、長引く疲れや不調でお悩みの方は、一人で抱え込まずにご相談ください。
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